ホームchevron_right技術資料一覧chevron_right元素分析chevron_rightICPchevron_right高圧マイクロ波分解装置
装置紹介
No.A2603 | 2026.06.12

高圧マイクロ波分解装置

~ ICP分析の前処理 ~

概要

 ICP分析における前処理の効率化と分析精度の向上を目的として、高圧マイクロ波分解装置を導入しました。高温・高圧条件下で迅速かつ安定的な試料溶解が可能となり、これまで溶解が難しかった試料にもICP分析を適用できるようになりました。

装置原理

 ICP分析の前処理として、一般に固体試料は強酸などによって分解し、溶解します。この前処理に対して、高圧マイクロ波分解装置は近年急速に広まっているマイクロ波を利用した加圧分解を行うための装置です。
 マイクロ波は電子レンジにも使われている電磁波であり、水のような極性分子にエネルギーを与えて発熱させます。一方で、石英ガラス、テフロンや多くのセラミックスはマイクロ波を透過する特性があります。この性質を利用し、石英ガラスなどの容器に試料と酸試薬を入れてマイクロ波を照射すると試料を直接的に加熱できるため、試料の分解速度が向上します。さらに、密閉容器を用いることで高温・高圧条件下で試料を効率的に分解でき、外部からの汚染(コンタミネーション)も防止できます【図1, 2】。各種無機/有機/生体系材料を迅速かつ安定的に溶解でき、ICP分析の効率化及び分析精度の向上が可能です。

【図1】高圧マイクロ波分解装置 外観
(アントンパール製Multiwave)

【図1】高圧マイクロ波分解装置 外観
(アントンパール製Multiwave

【図2】高圧マイクロ波分解のイメージ

【図2】高圧マイクロ波分解のイメージ

分析事例

 半導体材料の一つである窒化ガリウム(GaN)を高圧マイクロ波分解装置で溶解し、ICP分析した結果を表1に示します。GaNは溶解が難しい材料ですが、ICP分析結果の回収率は良好で、高圧マイクロ波分解装置によってほぼ完全に溶解していることが分かります。

 表1では主成分(Ga)の定量値を示していますが、その他の元素も同様にICP分析を行い、GaN中の微量不純物量を評価可能です。

【表1】GaNの高圧マイクロ波分解-ICP分析結果
定量元素 分析値 理論値 回収率
ガリウム(Ga) 82.1wt% 83.3wt% 99%
適用分野
無機材料、有機材料、生体系材料、半導体材料、電池材料
キーワード
マイクロ波、高圧、分解、溶解、ICP、定量、窒化ガリウム、GaN、不純物

CONTACTぜひ、お問い合わせください

弊社の分析技術について、納期やコストについてご検討の方は、
お問い合わせフォームより問い合わせください。