概要
陰イオン界面活性剤は、洗浄用途として多くの分野で使用されます。陰イオン界面活性剤の種類や量は洗浄力に影響し、排水時には水道法で定められた水質基準を満たす必要があります。このため、洗浄溶液中に含まれる成分の分析は重要です。
陰イオン界面活性剤の分析は、溶液中の成分を分離して定性定量が可能な高速液体クロマトグラフィー(HPLC)が適しています。一般的な陰イオン界面活性剤の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸Naについて、ppm濃度でHPLC分析を行った事例を紹介します。
分析事例の紹介
<直鎖アルキルベンゼンスルホン酸NaのHPLC分析>
HPLC分析は、微量(ppmオーダー)の陰イオン界面活性剤をピーク位置で区別でき、ピーク面積強度から定量が可能です。1試料で数本のピークが見えるのは、ベンゼン環の位置が異なる異性体を含んでいるためです。実際の試料では、水道法で定められた水質基準値の1/10まで定量できます。
【技術レポートNo.T1322参照】
適用分野
プラスチック・ゴム、その他有機製品、医薬品・化粧品・農薬、食料品・飲料・飼料・食品包装材
キーワード
陰イオン界面活性剤、アルキルベンゼンスルホン酸、HPLC、高速液体クロマトグラフィー