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技術資料
No.T1711 | 2017.07.01

有機酸の分析 -ICによる微量成分の定量-

概要

 イオンクロマトグラフィー(IC)は、電荷をもつ分子を分離する液体クロマトグラフィーです。無機の陽イオン(Na+、K+など)や陰イオン(Cl、SO42-など)のほか、有機酸の測定も可能です。
 ポリプロピレングリコール(PPG)中に含まれる有機酸について、イオンクロマトグラフィーによる測定を行った事例を紹介します。

分析事例の紹介

 ポリアルキレンオキサイドの一種であるPPGは、ウレタン樹脂の原料や、界面活性剤として使用されています。PPGが酸化分解すると、有機酸が生成し、材料の性質に影響を与える可能性があります。
 PPGを純水希釈後、PPGを除去し、ろ液をイオンクロマトグラフィー分析により測定しました。ICクロマトグラムを図1に示します。有機酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸等)はICクロマトグラムにて、おおよそ5分~7分の位置に検出されますが、これらの有機酸は検出されておらず、Cl、NO3、SO42-などのイオンが微量ながら検出されました。つまり、この試料には酸化分解した有機酸はほとんど含まれていないことが判明しました。 

図1 ICクロマトグラム

 ICでは、陽イオン、陰イオン、有機酸など、様々なイオン種について、ppmレベルの高感度な測定が可能です。また、試料が水溶液でない場合にも、前処理方法を工夫することで広い分野に適用することが出来ます。

適用分野
プラスチック・ゴム、その他有機製品、医薬品・化粧品・農薬、食料品・飲料・飼料・食品包装材
キーワード
有機酸、イオンクロマトグラフィー、ポリアルキレンオキサイド

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