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技術資料
No.T2007 | 2020.05.22

X線回折測定による微小異物の解析

概要

 製品に混入する「異物」は、しばしば品質問題となる。異物の低減には、その組成を解析し、発生源を特定することが重要である。近年、品質の向上に伴い発生する異物も微小かつ微量となる傾向がある。本技術資料ではポリエチレンシートに疑似異物として混ぜ込んだ微量の金属粉について、X線回折(XRD)により同定解析した事例を紹介する。

試料

ポリエチレンシート(金属粉含有)

【図1】 測定試料の外観
a)光学写真(異物の視認困難)、
b)XRD直上カメラで撮影(で表記した5ヵ所のXRD測定を実施)

分析事例

 異物が小さく、目視では視認困難であったため、XRDの試料台の直上にCCDカメラを設置し、異物の拡大像を取得した【図1】。その後、拡大像の指定箇所(【図1】▼、5か所)にビーム径約1mmのX線を照射し、XRDパターンを取得した(測定点の間隔;500µm)。得られたXRDパターン【図2】をデータベース照合により解析した結果、金属粉はSnであることが分かった。ビーム径の関係で、金属粉(視野②)から500µm離れた視野③でもSn由来の回折線が認められた。一方、視野②から1mm離れた視野④ではSn由来の回折線は未検出であった。このことから、本手法では約1mmの空間分解能でXRD測定可能と考えられる。

【図2】 XRDパターン測定結果 a)全体及び b)拡大図
適用分野
プラスチック・ゴム、無機製品、有機製品、電池・半導体材料
キーワード
X線回折、微小部、異物、同定、微量分析

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