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技術資料
No.T2433 | 2025.03.12

結晶質シリカの微量分析(XRD)

概要

 X線回折法(XRD)は、結晶成分の定性・定量や物質の結晶構造を調べる際に用いられる手法です。弊社では光源に9kW-60kV対応型の回転対陰極式X線源を備えた高輝度XRD装置を導入しており、微量成分の微弱な回折線も高感度で検出することができます。

試料及び分析内容

 結晶質シリカの粉塵は発がん性物質として知られており、0.1wt%の含有有無を調べる必要があります。
 そこで、非晶質(アモルファス)のシリカ粉末に1wt%0.1wt%0.01wt%の結晶質シリカ(クォーツ)を混合した試料を模擬的に調製して高輝度XRD測定を行いました。

結果

 得られたXRDパターンを図1、2に示します。図2に示す通り、0.01wt%という低濃度でも結晶質シリカ由来の回折線(クォーツ 101Kα1、Kα2)を明瞭に検出出来ました。さらに、得られた回折線の積分強度(cps×deg.)を算出して検量線を作成した結果、良好な相関性が確認されました。(図3

【図1】模擬試料のXRDパターン    【図2】 XRDパターンの拡大図

【図1】模擬試料のXRDパターン    【図2】 XRDパターンの拡大図

【図3】結晶質シリカ(クォーツ)の検量線

【図3】結晶質シリカ(クォーツ)の検量線

まとめ

 高輝度XRD測定により、極微量の結晶質シリカの回折線を観測可能です。このように、従来分析困難であった1wt%未満の微量な結晶成分についても定性・定量分析を行うことが出来ます。

適用分野
ガラス、無機材料、有機材料
キーワード
XRD、X線回折、結晶構造解析、微量成分

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