日本プラスチック工業連盟誌『プラスチックス』 2025年10月号
弊社社員 佐野 彩菜の「AFM-IRによるポリマーの組成分布解析」が掲載されます。
内容
高分子材料は、強度や耐熱性、耐薬品性やガスバリア性など、様々な物性を制御したり、機能を付与する為に、しばしば、ポリマーブレンドやポリマーアロイとして設計される。近年、高分子材料の高性能化の為に、ナノオーダーでモルフォロジーを制御する研究が行われ、分析に対するニーズはますます高まっている。その中でも、官能基マッピングは、近年特に注目されている。
AFM-IRは、ナノオーダーで官能基マッピングが可能な装置であり、相分離構造と官能基情報を直接的に評価できる。本稿では、AFM-IRを用いた測定事例として、PSt-b-PMMA共重合体のナノ構造解析を紹介する。また、通常のAFMでは観察困難なポリウレタンの相構造を官能基マッピングにより解析した事例、さらには、電子顕微鏡では困難であった、PE/PPポリマーブレンドの組成分布解析について紹介する。