概要
X線回折装置(XRD)は結晶の構造解析や定性分析に用いられます。試料にX線を照射すると、原子によってX線が散乱し、原子の並びに対応した回折パターンが検出されます。この回折パターンを解析することで、結晶性や結晶配向を調べることが可能です。XRD測定では粉末試料を扱うことが多いですが、弊社では数nmの薄膜を測定可能な薄膜用X線回折装置を導入しました。
装置スペック
装置名 |
Rigaku製全自動多目的水平型X線回折装置SmartLab |
測定対象 |
薄膜(φ1mm~100mm)、粉末、キャピラリー |
X線源 |
9kW 回転体陰極 Cuターゲット |
検出器 |
2次元検出器(Pixelサイズ:100μm) |
測定モード |
out of plane測定、in plane測定(2~120deg) 小角散乱測定(0.06deg~) |
得られる情報
結晶性、配向性について(積層方向、面内方向)
結晶子径、積層周期、膜厚、膜密度
分析事例
シリコンウエハーの測定(2つの観察方向からの測定)
out of plane測定では(400)面由来のピーク、in plane測定では(400)に直交する(220)面由来のピークが検出され、(400)面が基板に平行に積層していることがわかりました。このように本装置では薄膜試料の積層方向と面内方向を区別して評価することが可能です。
適用分野
プラスチック・ゴム フラットパネルディスプレイ 電池・半導体材料
キーワード
有機EL材料 半導体材料 樹脂成形品 薄膜 X線回折(XRD)