この度、メタルハライドランプ方式の耐候性試験機を増設したので紹介します。
概要
プラスチック(合成樹脂)は屋外環境で劣化します。これは主に太陽光に含まれている紫外線によって高分子鎖が切断されるためだと推定されています。屋外環境よりも強い紫外線をあてると、屋外だと数年かかる耐光性(耐候性)評価を短時間で評価することができます(促進試験)。
メタルハライドランプ方式*の装置は、光源強度が強く、耐光性試験時間を短時間化できるため、多くのご依頼を頂いています。増設により、より多くのお客様にご利用いただけるようになりました。
主なスペック
装置 | アイスーパーUVテスター SUV-W161(岩崎電機製) |
方式 | メタルハライドランプ方式 |
照射強度 |
最大100mW/cm2 (波長 300~400 nm) |
その他 |
湿度制御可能 |
*メタルハライドランプ
他の促進試験機に比べも非常に強い紫外線を照射できる。そのため、短期間で耐久性を評価できます。
装置の外観を図1に、低密度ポリエチレンの評価例を図2に示しました。
図2では劣化の程度を引張試験の際の破断伸び保持率で評価し、装置間の比較を行いました。その結果、サンシャインウェザーメータ(SUV)の場合、保持率が60%となるのに約400時間(約半月)の照射が必要である一方、アイスーパーUVテスター(UV)では、約75時間(約3日)の照射で保持率60%となりました。
以上の結果は、アイスーパーUVテスターの方がサンシャインウェザーメータよりも、劣化を促進できることを示しています。
本特長を生かせば、長時間の評価が必要となる耐候性試験を、より短時間で比較することができます。
試料 | LDPE |
照射条件 | アイスーパーUV(UV)BP=63℃、100mW/cm2(300-400nm) サンシャイン(SUV)BP=63℃、18分降雨/102分照射 |
試験条件 |
引張試験 試験片 JIS2号1/2ダンベル |
適用分野
耐久性
キーワード
プラスチック、ゴム