概要
X線光電子分光分析装置(ESCAまたはXPS)は、表面数nmの元素及び化学状態を分析することが可能な装置です。高分解能スペクトルによる化学状態の分析事例を紹介します。
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分析事例
ナフチルフェニルビフェニルジアミン(NPD、図2)及び、銅フタロシアニン(CuPc、図3)のC1s、N1s高分解能スペクトル結果をそれぞれ示します(図4~7)。
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1)ナフチルフェニルビフェニルジアミン(NPD)
C1s高分解能スペクトル(図4)において、結合様式の異なる3種類のピークに分離できました。また、高エネルギー側に芳香族由来の(π-π*)サテライトピークが検出されました。N1s高分解能スペクトル(図5)では、(π-π*)サテライトピークが検出されないことから、共役環内にNが存在しないことが判ります。
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【図4】 NPDのC1s高分解能スペクトル
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2)銅フタロシアニン(CuPc)
C1s高分解能スペクトル(図6)において、3つのピークと(π-π*)サテライトピークが検出されました。また、N1s高分解能スペクトル(図7)では、共役環内のN由来の(π-π*)サテライトピークが検出されており、分子構造を反映したスペクトルが得られております。
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適用分野
フラットパネルディスプレイ、その他有機製品
キーワード
有機積層膜、有機薄膜、有機物