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技術資料
No.T1314 | 2014.02.24

LLDPE、PPSのPVT測定

圧力-体積-温度依存性

概要

熱や圧力による樹脂の体積変化は、樹脂特性に応じて複雑な挙動を示します。例えば、ガラス転移温度や融解温度前後で体積の温度依存性は変化し、圧力にも非常に敏感です。このような情報は、射出成形のシミュレーションのようなCAE解析に必要となるだけでなく、樹脂の特性を知る上で有用です。
本技術資料では、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)およびエンジニアリングプラスチックの一つであるポリフェニレンサルファイド(PPS)のPVT(圧力-体積-温度依存性)測定結果について紹介します。

分析事例の紹介

測定には、Gottfert社製 Rheograph25を使用しました。この装置は、樹脂の流動特性(粘度、伸長粘度、溶融張力、ダイスウェルなど)に加え、PVTを評価することが可能です。また、降温速度を一定に保つことができることが特徴の一つです。
図1、2にLLDPE、繊維強化PPSの測定結果を示しました。縦軸は単位重量当たりの体積、横軸は、図1は温度、図2は圧力です。それぞれの測定条件を下記に示します。

 図1 LLDPE : 圧力一定 降温試験(降温速度一定) → 等圧試験と呼ばれます。
 図2 繊維強化PPS : 温度一定 昇圧試験 → 等温試験と呼ばれます。

これらのデータから、結晶化温度の圧力依存性や熱膨張率などを知ることができます。
例えば、結晶化温度の場合、LLDPE(図1)では130 MPa変化すると約30℃、繊維強化PPS(図2)では120MPa変化すると約50℃も変わることが分かります。

図1. 等圧試験 LLDPE
図2. 等温試験 繊維強化PPS

 

適用分野
熱特性
キーワード
樹脂、LLDPE、PPS

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