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技術資料
No.T1708 | 2017.06.01

触媒中の陰イオン分析

概要

 有機合成や化学工業では、化学反応速度を高める触媒の利用は欠かせません。触媒には酸、塩基、金属、錯体、蛋白質など様々な化合物が存在します。触媒性能を左右する因子の一つとして、含有する不純物量が挙げられます。今回、金属触媒中の陰イオン濃度を定量するため、金属触媒を酸処理し、触媒の溶解分単位重量当たりの陰イオン濃度を測定した例を紹介します。陰イオンの定性定量にはイオンクロマトグラフィー(IC)を用いました。

分析事例の紹介

1.検量線の作成

 陰イオンの混合標準試料を用いて、検量線を作成しました。

図1 陰イオン混合標準試料のICクロマトグラムと検量線の例

2.金属触媒酸溶解液の測定

 酸溶解液からClとSO42-が検出され、(1)の検量線から微量の陰イオンが定量できました。なお、約4分に検出された大きなピークは、酸処理に用いた硝酸由来のNO3です。

図2 酸溶解液のICクロマトグラム

 試料形態が金属(固体)や非水系有機溶媒であっても、酸溶解や液-液抽出等で水溶液に転換できればIC測定が可能です。また、水に不溶な試料の場合は、燃焼-吸収IC(試料を燃焼し、発生したガスを吸収液に吸収、IC測定)等の手法も適用可能です。

適用分野
その他有機製品、その他無機製品、セラミックス・ゼオライト
キーワード
触媒、陰イオン、IC、イオンクロマトグラフィー

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