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技術資料
No.T1721 | 2017.10.01

プラスチック添加剤の経時変化

概要

 プラスチックには、劣化防止、可塑性向上、成形性向上、難燃性向上等を目的として、様々な添加剤が加えられています。添加剤の種類と量はプラスチックの物性に影響を与えるため、その分析は重要です。一般的に添加剤の分析は、プラスチックから抽出後、低沸点化合物はガスクロマトグラフィー(GC)により、また高沸点化合物は液体クロマトグラフィー(HPLC)により行います。今回、熱劣化試験を実施したプラスチックから酸化防止剤を抽出し、HPLCにより定量分析を行った例を紹介します。

分析事例の紹介

1.濃度検量線の作成

 リン系酸化防止剤の標準試料を用いて、濃度検量線を作成しました。

図1 リン系酸化防止剤のHPLCクロマトグラムと濃度検量線

2.プラスチック抽出液の測定

 プラスチック抽出液をHPLC測定し、(1)の濃度検量線から酸化防止剤の含有量を算出しました。熱劣化試験の時間が長いほど、酸化防止剤の減少が確認されました。

 抽出とクロマトグラフィーを組み合わせることで、プラスチック中添加剤の定性定量が可能です。更にクロマトグラフィーに質量分析(MS)を組み合わせることで、定性能力、定量下限が向上します(ppm→ppbオーダー)。【技術レポート No.T0906、No.T0910、No.T1022参照】

適用分野
プラスチック・ゴム、その他有機製品、食料品・飲料・飼料・食品包装材
キーワード
高分子添加剤、酸化防止剤、プラスチック、HPLC、高速液体クロマトグラフィー

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