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技術資料
No.T2026 | 2020.11.19

温度応答性ポリマーの相転移温度の解析(温度可変UV-Vis)

概要

ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(PANIPAM)やポリメチルビニルメチルエーテル(PVME)は生理温度付近で親水性から疎水性へ変化する「温度応答性ポリマー」として知られ、医学や薬学分野での利用が期待されています。本技術資料では、PVME水溶液の相転移温度(曇点)を、温調機能を搭載したUV-Visを用いて解析しました。

試料

10%PVME水溶液(東京化成工業株式会社製)

分析手法

装置:紫外可視近赤外分光光度計 V-770(日本分光株式会社製)
   +水冷ペルチェセルホルダー ETCS-761(温調範囲0~100℃)
測定:30℃~45℃における光線透過率(@λ=500nm)を0.2℃刻みで測定。

結果

図1にPVME水溶液の光線透過率の温度依存性を示します。35~36℃において、PVMEの相転移に伴う光線透過率の変化を検出することが出来ました。

【図1】溶液粘度の温度依存性(10%PVME水溶液)

まとめ

温度可変UV-Visを用いることで温度応答性ポリマーの相転移温度(曇点)を簡便に評価できます。また、本装置は温度制御に優れていることから、溶媒や添加塩による相転移温度(曇点)の僅かな変化を検出可能と推定されます。

適用分野
高分子材料、生体材料
キーワード
温度応答性ポリマー、PNIPAM、PVME、UV-Vis、ドラッグデリバリー、細胞培養

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