概要
ポリマーアロイのモルフォロジーを透過電子顕微鏡(TEM)により観察しました。複数樹脂を混合したポリマーアロイは、成分ポリマーの混合状態や微細構造が特性(耐衝撃性、耐熱性、耐薬品性など)に非常に影響するため、機能向上のためにはモルフォロジー観察が重要です。
今回、自動車部品、家電等に用いられるポリカーボネート(PC)/ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂をTEMにより観察し、各成分の分散状態やラメラ構造の形成を可視化することができました。
試料
ポリカーボネート(PC)/ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂
装置と試料作製方法
装 置 :電界放射型透過電子顕微鏡(FE-TEM)
試料作製方法:ミクロトーム による超薄切片作製
電子染色(重金属を含む染色によって、電子密度を高め観察像のコントラストを上げる
手法)
結果
PC/PBT樹脂のTEM像(図1)を示します。
各成分が電子染色により異なるコントラストで観察され、PC/PBT及びフィラーの分散状態や組成を可視化でき、さらに高倍率測定を行うことで、PBT(マトリクス)のラメラ構造も確認できます。TEMによりポリマーアロイの特性発現に影響を及ぼす成分ポリマーやフィラーのモルフォロジー観察が可能です。
適用分野
プラスチック・ゴム、形態観察・測定、TEM
キーワード
ポリマーアロイ、PC、PBT、自動車部品、電気製品