概要
ゼオライトは透過電子顕微鏡(TEM)観察時の電子線照射にて容易に結晶が壊れてしまうために、TEM観察は一般的に困難です。そこで、高速カメラ(OneViewIS)を搭載したTEMを用いた弱い電子線での観察(low-dose観察)により、結晶構造を明らかにしました。
試料
ゼオライト粉末:(AFX/CHA連晶ゼオライト)
装置と分析手法
装置 | FE-TEM+OneViewISカメラ(Gatan製) |
加速電圧 | 200kV |
前処理 | FIB加工→Arイオンビーム処理 |
結果
円盤状のゼオライト粉末について、円盤の側面方向からのTEM観察を行いました(図1)。200kVでのTEM観察によりゼオライトはアモルファス化してしまいますが(図2a)、高速カメラを用いた短時間観察により、AFX型とCHA型の2種類のゼオライトが連続的につながっている構造(連晶)を撮影できました(図2b)。
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(b)赤矢印方向からの低倍率TEM観察結果
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アモルファス化した。
(b)高速型カメラを用いた観察結果。細孔配列が観察された。
参考文献
- Naraki, K. Ariga, K. Nakamura, K. Okushita, T.Sano, Micropor. Mesopor.Mater,254,160(2017)
- 中村 和人、東ソー研究・技術報告、61、93(2017)
適用分野
セラミックス、その他無機材料、結晶構造解析、形態観察
キーワード
ゼオライト、触媒、吸着材、連晶組織、intergrowth