ホームchevron_right技術資料一覧chevron_right形態観察chevron_rightTEMchevron_rightゼオライトの結晶構造解析2
技術資料
No.T2310 | 2023.09.19

ゼオライトの結晶構造解析2

(TEM低ダメージ観察)

概要

 ゼオライトは透過電子顕微鏡(TEM)観察時の電子線照射にて容易に結晶が壊れてしまうために、TEM観察は一般的に困難です。そこで、高速カメラ(OneViewIS)を搭載したTEMを用いた弱い電子線での観察(low-dose観察)により、結晶構造を明らかにしました。

試料

 ゼオライト粉末:(AFX/CHA連晶ゼオライト)

装置と分析手法

装置 FE-TEM+OneViewISカメラ(Gatan製)
加速電圧 200kV
前処理 FIB加工→Arイオンビーム処理

結果

 円盤状のゼオライト粉末について、円盤の側面方向からのTEM観察を行いました(図1)。200kVでのTEM観察によりゼオライトはアモルファス化してしまいますが(図2a)、高速カメラを用いた短時間観察により、AFX型とCHA型の2種類のゼオライトが連続的につながっている構造(連晶)を撮影できました(図2b)。

【図1】(a)試料粉末のSEM像
(b)赤矢印方向からの低倍率TEM観察結果
【図2】(a)通常のTEM観察結果。電子線照射により試料が
アモルファス化した。
(b)高速型カメラを用いた観察結果。細孔配列が観察された。

参考文献

  1. Naraki, K. Ariga, K. Nakamura, K. Okushita, T.Sano, Micropor. Mesopor.Mater,254,160(2017)
  2. 中村 和人、東ソー研究・技術報告、61932017
適用分野
セラミックス、その他無機材料、結晶構造解析、形態観察
キーワード
ゼオライト、触媒、吸着材、連晶組織、intergrowth

CONTACTぜひ、お問い合わせください

弊社の分析技術について、納期やコストについてご検討の方は、
お問い合わせフォームより問い合わせください。