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技術資料
No.T2406 | 2024.06.07

高温GPC測定における信頼性検証

~ 同時再現性および日差再現性 ~

概要

 各種ポリオレフィンの分子量および分子量分布測定には、高温GPCが用いられています。
 本報告では、弊社からご提供する高温GPC 測定データの信頼性をより深くご理解いただくため、日内での変動(同時再現性)および5日間連続で測定した場合での変動(日差再現性)を検証しました。

1.試料

 市販の高密度ポリエチレン

2.分析条件

装   置 : HLC-8321GPC/HT (東ソー製)
カ ラ ム : TSKgel GMHHR–H(20)HT (7.8mmφ×30cm) 3本 (東ソー製)
溶 離 液 : 1,2,4-トリクロロベンゼン+BHT
カラム温度 : 140℃
流   速 : 1mL/min
注 入 量 : 300μL

3.結果

3-1.同時再現性

 表1に日内変動データである、同時再現性を示します。

【表1】市販品高密度ポリエチレンの
同時再現性確認

【表1】市販品高密度ポリエチレンの
同時再現性確認
【図1】市販品高密度ポリエチレンの
微分分子量分布の重ね書き

【図1】市販品高密度ポリエチレンの
微分分子量分布の重ね書き

 CV(変動係数)は溶出時間(R.Time)で0.14%、ピーク高さで0.46%Mw(重量平均分子量)で0.55%程度と、日内でn=5の測定において良好な値が得られました。

3-2.日差再現性

 表2に、5日間連続で測定した場合の日差再現性のデータを示します。

【表2】市販品高密度ポリエチレンの
日差再現性確認

【表2】市販品高密度ポリエチレンの
日差再現性確認
【図2】市販品高密度ポリエチレンの
微分分子量分布の重ね書き

【図2】市販品高密度ポリエチレンの
微分分子量分布の重ね書き

 溶出時間(R.Time)で0.055%、ピーク高さで1.94%Mw(重量平均分子量)で0.56%程度と、5日間の測定において良好な値が得られました。

 弊社の標準測定条件では、日内変動データである同時再現性および複数日毎で測定した日差再現性のいずれの結果においても、Mw値の変動は1%以下であり、信頼性の高いデータが得られています。

 なお、弊社から提出する「分析・試験報告書」におきましては、通常n=1測定にて有効数字2桁でのご報告となります。試料性状や繰返測定回数によって報告可能桁数は変わってきます。より高精度な報告桁数をご希望の場合は、担当営業までお問い合わせください。

適用分野
GPC、SEC、高分子、分子量測定、熱劣化
キーワード
ポリオレフィン、熱可塑性樹脂、HDPE、LDPE、LLDPE、PP

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