概要
紫外・可視・近赤外分光光度計は紫外線、可視光線および近赤外線領域の光吸収の分析を行う装置である。固体試料および液体試料の測定を行うことができる。
装置構成(JASCO V-770)
測定オプション
スペクトル測定
試料の吸光度、透過率または反射率のスペクトルを測定できる。
定量測定
濃度既知の標準試料の吸光度を測定して検量線を作成し、濃度未知の試料の濃度を算出できる。
時間変化測定
波長を固定して試料の吸光度、透過率または反射率の時間変化を追跡できる。(2波長まで選択可能)
積分球ユニット
固体試料や懸濁液の拡散透過率や固体試料表面や粉末試料の拡散反射率が測定できる。
水冷ペルチェセルホルダー
サーモパネルにより種々の温度における試料の吸光度やスペクトルを測定できる。
スペック
測定波長範囲
190 ~ 2700 nm
波長分解能
0.1 nm(850 ~ 2700 nm)、0.5 nm(190 ~ 850 nm)
測定波長範囲
0.05 sec ~ 60min
温度制御範囲
20 ~ 100℃(ペルチェ使用時のみ)
アプリケーション
○ガラスの透過率測定
すりガラス(【図3】)の平行光線および全光線透過率を測定した。全光線透過率は積分球ユニットを用い測定した。【図4】および【図5】に得られたスペクトルおよび全光線透過率の概要を示す。
平行光線透過率は散乱光や反射光を考慮しない測定であり材料の視認性等を評価することができる。一方、全光線透過率は散乱光を含めた透過率を評価する測定であり、光に対する材料の遮蔽性等を評価することができる。
つまりすりガラスは、一見すると光を遮蔽しているよう思われるが、実のところ入射光の80%以上を透過していることがわかる。
適用分野
無機材料、有機材料、構造解析、透過率、ヘーズ、直線透過率