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技術資料
No.T2216 | 2022.11.15

ジルコニアセラミックスの結晶相分布解析(非破壊分析)

概要

ジルコニア(ZrO2)は常温での機械強度、破壊靭性の高い材料として、産業用機械・製造装置用部品や歯科・医療用機器部品に使用されています。ジルコニアセラミックスのラマンスペクトルを測定すると、正方晶(T)や単斜晶(M)のピークが得られます【図1】。顕微ラマンで試料をマッピング測定し、特定のピーク強度を可視化することで、結晶相の分布を調べることが出来ます。(空間分解能 最小1μm)

【図1】 ジルコニアセラミックスのラマンスペクトル(400~100cm-1)

分析事例の紹介

ジルコニアセラミックスについて、ビッカース試験後の圧痕付近の分析結果を以下に示します【図2】。マッピング像はM相とT相のピーク強度比を可視化したものです。明色程、M相が多いことを表しています。
ビッカース圧痕の周囲に試験によって生じたM相の分布が確認されました。また、ビッカース圧痕の四隅に近づくにつれ、M相が多くなる傾向が分かります。

(左)観察像(白枠:マッピング範囲)(右)マッピング像

【図2】 ラマンマッピング測定範囲とマッピング像

*ビッカース試験・・・ダイアモンド製圧子を押し付け、生じた圧痕から試料の硬さを評価する試験。

適用分野
ジルコニア、セラミックス
キーワード
ラマン分光、マッピング、ジルコニア、非破壊分析

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