1.概要
粉体は工業から食品、バイオなどの幅広い分野で用いられており、用途に合った粉体特性が求められる。重要な粉体特性の一つに細孔容積や比表面積があり、これら特性の評価法として、ガス吸着法(BET法)や水銀圧入法がある。ガス吸着法はナノレベルの細孔を評価できる反面、ミクロンオーダーの細孔の評価は困難である。それに対し、水銀圧入法はナノレベルからサブミリレベルまでの構造を一気に評価できる(図1)。本技術資料では、水銀圧入法による細孔分布評価装置について紹介する。
2.主なスペック
装 置 : Poremaster GT-60(Quantachrome社製)
方 式 : 水銀圧入法
測定範囲 : 4nm~950μm
3.測定データ例
粒径100μm程度の樹脂粒子を評価した事例を図3に、コーヒー粉末の評価事例を図4に示した。図3では粒子間と粒子内の空隙が明瞭に区別して検出されている。図4のコーヒー粉末の事例でも、製品種によって粒子構造が異なる様子を捉えることができた。これらのデータを解析することで、空隙率や比表面積、細孔構造について詳細に調べることができる。
適用分野
粉体特性 / 材料キーワード : 細孔分布、空隙率、ポロシティ、比表面積、粒径解析、粉末