概要
溶媒蒸発型GPCに熱分解(Py)-GC/MS測定用アタッチメントを接続することで、分子量毎のパイログラムを取得できます。
【図1】に装置の模式図を、【図2】に装置外観及びPy-GC/MS測定用アタッチメントの写真を示します。溶媒蒸発型GPC-Py-GC/MSでは、カラム通過後の試料溶液をPy-GC/MS測定用アタッチメントを用いてサンプルカップに分画します。分画された試料は前処理なしでそのままPy-GC/MSに供することが出来ます。これによって、分子量毎のパイログラムを取得できます。
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【図1】溶媒蒸発型GPC-Py-GC/MS模式図
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【図2】装置外観およびPy-GC/MS測定用アタッチメント
ここでは、市販のポリスチレンとポリメタクリル酸メチルをブレンドした試料の測定事例を紹介します。
試料
・ポリスチレン(PSt) Mw = 9.6×104
・ポリメタクリル酸メチル(PMMA) Mp = 2.7×105
測定事例
PStとPMMAをブレンドした試料の微分分子量分布曲線を【図3】に示します。Log M = 4.9(破線①)及びLog M = 5.3(破線②)付近におけるパイログラムを【図4】に示します。Log M = 約4.9と約5.3の主成分は、それぞれSt、MMAと推測されました。
以上のように、分子量毎のパイログラムを取得することで、任意の分子量領域に含まれるモノマー構成成分を推測することができます。
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【図3】 PSt/PMMAブレンド品の微分分子量分布曲線
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【図4】 Log M = 約4.9、約5.3(【図2】破線部)の各パイログラム
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参考文献
1) Py-GC/MS測定用アタッチメント(株式会社エス・ティ・ジャパン)
https://www.stjapan.co.jp/web_news/201803/PGC-MS_application_note.pdf