概要
接触角測定は液体を用いて固体表面と液体のなじみ易さを評価できる簡便な評価法です。弊社では協和界面化学社製接触角計に加熱ユニットを装着しており、室温から350℃まで、温度を変えて接触角や表面張力などを測定することが可能です。
本技術紹介では、溶融ポリエチレンワックスの接触角と表面張力を評価した事例をご紹介します。例えば、溶融樹脂の接触角は射出成型やインサート成型時の溶融樹脂と金型または異種材料とのなじみ易さを表す基本的な情報と言えます。このような評価をするためには、室温以上の高い温度で評価することが必要になります。
分析事例の紹介
接触角は、溶融ポリエチレンワックスと基板の為す角度をカーブフィッティング法で評価しました。表面張力は懸滴法で求めました(図1)。
表1に150℃における接触角測定結果を示します。基板によって著しく接触角が異なり、ポリエチレンワックス溶融体はシリコーンコートPETに対して濡れにくいことが分ります。
図2には、温度を140℃から190℃まで変えて、ポリエチレンワックスの表面張力を測定した結果を示します。温度の上昇に伴い、徐々に表面張力が低下する様子が分ります。
【図2】表面張力の温度依存性
基板 |
PET |
シリコーンコート PET |
---|---|---|
接触角(deg) |
12 |
85 |
適用分野
プラスチックス・ゴム、その他有機製品、食品包装材
キーワード
ポリエステル、フィルム、光学フィルム、シュリンクフィルム