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技術資料
No.T1106 | 2011.04.08

成形部材中の残留歪み評価(2)

概要

樹脂を成形すると、成形履歴に応じて様々な歪みが残ります。このような歪みは残留歪みと呼ばれ、クラックなど欠陥の遠因になるほか、長期間の使用や加熱などによる変形の原因にもなります。
本技術資料では、残留歪みとして加熱時に収縮する量を非接触法で評価した事例をご紹介します。
試料には、残留歪みが存在すると予想される射出試験片を用いました。

分析事例の紹介

結晶性ポリオレフィンの射出成形試験片の事例を示します。試験片は幅10mm、厚み4mmの矩形試験片で、樹脂の流れ方向をMD、幅および厚み方向をTDとして計測しました。MD-幅の測定結果を図1に、MD-厚みの試験結果を図2に示しました。
射出成形では流れ方向に強い配向が生じ、それに対応する現象として図1、2ともに、MD方向で収縮挙動が観察されました。一方、幅/厚み方向は熱履歴前後で長さは変わらず、残留歪みの緩和は観察されていません。ただし、昇温に伴う相対長さの変化量を比べると、厚み方向が大きくなっており、幅/厚み方向で異方性があることが分ります。

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