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技術資料
No.T1315 | 2014.02.07

高分子有機EL材の構造解析(熱分解-イオントラップGC/MS)

概要

熱分解GC/MSは加熱炉とガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS)を連結した装置です。加熱炉で試料を加熱することでポリマーの解重合や分解が起こります。こうして生成した熱分解物をオンラインでGC/MS分析することにより、ポリマーの定性を行います。
またMSにイオントラップ型を選択することで、MS/MS、MS/MS/MS解析(MSn解析)が可能となります。構造が未知の化合物(マススペクトルライブラリにない新規化合物)の構造解析に効果的です。

分析内容

● PVK(高分子有機EL材)の分析

高分子有機EL材のPVK(poly N-vinylcarbazole)のパイログラムとマススペクトル(EI)を以下に示します。電気炉での熱分解によりPVKのモノマー(m/z 193)、ダイマー(m/z 386)、トリマー(m/z 579)が検出されました。またトリマー(m/z 579)をプリカーサーイオンとしてMS/MS解析を実施した結果、モノマー単位(m/z 206)、ダイマー単位(m/z 413)のプロダクトイオンが検出されました。これらのプロダクトイオンからプリカーサーイオンの構造や熱分解前の構造を推定します。

適用分野
フラットパネルディスプレイ
キーワード
高分子有機EL材、PVK、発光材

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