概要
セルロースの分子量測定法として、粘度法が一般的に用いられています。粘度法からは平均分子量が得られますが、分子量分布は得られません。
これに対して、GPC法では平均分子量と分子量分布の両方を得ることが可能です。GPC法から得られる分子量分布曲線は、分子量に関する視覚的、直感的な情報を得ることができます。
セルロースは難溶解性材料であるため、GPC分析が難しい材料ですが、前処理や溶解条件を工夫することで、GPC分析が可能になります。
分析事例
菌種の異なる2種類のバクテリアセルロースについて、GPC測定を行った結果を図1に示します。
バクテリアセルロース:酢酸菌等の微生物によって作られるセルロースです。バクテリアセルロースは、植物由来のセルロースと比較して繊維が細く、緻密なネットワーク構造を有しており、保水性や生分解性に優れることから、人工血管や分離膜などへの利用が検討されています。
適用分野
分子量、重合度
キーワード
セルロース、パルプ、リンター、セロハン、コットン