FE-SEMによるサンプル加熱時の形態観察

概要

高分解能走査型電子顕微鏡を用いた観察手法の最先端技術として、その場観察(in-situ観察)といわれる知見が最近主流となりはじめています。多くの材料において、加熱等の熱的変化に追従する形態変化をリアルタイムにとらえることは、材料特性を評価する上で重要なファクターといえます。
この報告では、試料室内に加熱システムを組み込んだFE-SEMを使用し、加熱時の連続的な形態変化を真空環境下で捉えた例をご紹介させて頂きます。

装置

FE-SEM　　　　　　　  機種：JSM-7100F　（日本電子製、10～300,000倍）
試料加熱システム　　　機種：ADURO　　　（ProtoChips社製、室温～1200℃）

事例①

アルミニウムパウダー（融点660℃）を加熱したところ、昇温に伴って形状が変化し、1200℃では消失しました。アルミニウムの沸点は2500℃ですが、表面張力の効果と真空下で加熱したことが原因だと推定されます。

事例②

粒子表面の微細構造が溶融する様子が捉えられています。