概要
近年、エレクトロニクス分野においては性能向上を目的に、原料中の炭素、硫黄等の不純物元素削減が求められています。これに伴って、ppmオーダーでの炭素、硫黄分析に対する需要も高まっています。本技術資料では、酸素燃焼-赤外線吸収法による炭素・硫黄分析装置を用いて、金属及び無機材料中の炭素、硫黄濃度を定量した例をご紹介します(表1参照)。
装置
酸素燃焼-赤外線吸収法による炭素・硫黄分析装置CS844(LECO社製、図1参照)
分析原理
試料を酸素気流中で加熱燃焼させ、炭素をCO2、硫黄をSO2として回収し、赤外線検出器を用いて各発生ガス量を計測します。これを基に試料中の炭素、硫黄濃度を求めます。(詳しい原理については、既報の装置紹介レポートNo.A1802もご参照ください。)
分析結果
試料名 |
炭素 |
硫黄 |
備 考 |
銅(メタル) |
8.5ppm |
4ppm1) |
|
鋳鉄 |
3.4wt% |
0.06wt% |
- |
炭化ケイ素(SiC) |
29wt% |
1.1wt% |
- |
まとめ
炭素・硫黄分析装置を用いて、数ppmから数十%(試料により異なる)の炭素、硫黄分析が可能です。また、ご希望の温度条件(1200~3000℃)での測定にも対応致します。
ハロゲンを含有する物質や多量の副生ガス(水分等)を伴う物質、金属酸化物の中には、測定困難なものもあるため、詳しくは一度お問い合わせください。
適用分野
工業材料、エレクトロニクス、セラミックス・ゼオライト、その他無機製品
キーワード
無機材料、金属材料、非鉄金属、ステンレス鋼、セラミックス、鉄鋼、鋳鉄