概要
各種ポリオレフィンの分子量および分子量分布測定には、高温GPCが用いられています。
本報告では、140℃のオートサンプラーに溶解試料を保持することにより、汎用ポリオレフィンの重量平均分子量(Mw)が、どのように変化するか検証しました。
1.試料
市販のポリオレフィンペレット4種
高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン
2.分析条件
GPC測定条件は下記のとおりです。
装置 | HLC-8321GPC/HT (東ソー製) |
カラム | TSKgel GMHHR–H(20)HT (7.8mmφ×30cm) 3本 (東ソー製) |
溶離液 | 1,2,4-トリクロロベンゼン+BHT |
カラム温度 | 140℃ |
流速 | 1mL/min |
注入量 | 300μL |
3.結果
オートサンプラー(140℃)に1時間から24時間保持した後に測定した結果を図-1に示します。1時間のMw値を100として、加熱経過時間に対する維持率で表しています。
弊社の標準測定条件では、オートサンプラーへの保持は2時間以内です。Mw値の低下は1%以下であり、加熱劣化のない、信頼性を有するデータが得られています。
適用分野
GPC、SEC、高分子、分子量測定、熱劣化
キーワード
ポリオレフィン、熱可塑性樹脂、HDPE、LDPE、LLDPE、PP