概要
ナノ金属担持触媒では、担持させたナノ金属粒子径の粗大化は触媒活性の低下を引き起こすため粒子径評価は重要です。今回はnmサイズの観察が得意な透過電子顕微鏡(TEM)により、カーボン担体にPt担持させた触媒のPt粒子径評価を行った結果についてご紹介します。
分析方法・分析装置
装置 | FE-TEM(日本電子製 JEM-F200) |
観察法 | 高角度環状暗視野(HAADF:High-Angle Annular Dark Field)–走査透過電子顕微鏡(STEM)法 |
前処理 | 試料をTEM試料台に分散して観察 |
試料
Pt/C触媒(市販品)
結果
HAADF-STEM像の観察結果を図1に示します。この像のコントラストは原子番号の大きな元素がより明るく観察されます。
HAADF-STEM像より数nmのPt粒子を明瞭に観察できました。また、Pt粒子径の測長を行いヒストグラム表示した結果を図2に示します。Pt粒子の平均粒子径は3.3nmと算出されました。
まとめ
TEMにより数nmの金属ナノ粒子を明瞭に観察でき、粒子径評価を行うことができます。
適用分野
形態観察、触媒、電池、その他無機製品
キーワード
金属ナノ粒子、金属触媒、燃料電池、電極触媒、HAADF-STEM像、粒子径評価