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技術資料
No.T2429 | 2025.01.21

特殊溶媒系GPCによるポリマーの分子量分布測定

~ 芳香族ポリケトンの酸劣化による分子量変化 ~

概要

 高分子材料は、長時間にわたる酸との接触で、分子切断などの劣化を起こし分子量が変化します。
 ポリエーテルエーテルケトン (PEEK) について、酸浸漬試験を行い、GPCによる分子量測定を行いました。

試験条件

1.酸浸漬試験

  • 粉砕したPEEK樹脂を、50%硫酸または50%硝酸に浸漬し、加熱オーブン(50℃)中で連続加熱
  • 浸漬加熱後2週後、6週後、および10週後に各々サンプリング

2.分子量測定

装置

HLC-8320 (東ソー製)

カラム

TSKgel SuperHM-H × 2 (東ソー製)

溶離液

PFP/クロロホルム = 1/2 (wt/wt)

測定結果

 未処理および50℃浸漬加熱2週後から10週後までの、経過時間毎のGPCによる分子量分布を図-1および図-2に示します。試料に不溶解分が確認されたため、ピーク面積を補正しています。
 各酸において、浸漬加熱経過による劣化進行の様子が、GPC測定により明らかとなりました。

【図1】50%硫酸 浸漬加熱試料のGPC測定結果

【図150%硫酸 浸漬加熱試料のGPC測定結果

【図2】50%硝酸 浸漬加熱試料のGPC測定結果

【図250%硝酸 浸漬加熱試料のGPC測定結果

 50%硫酸の浸漬では、分子量および分子量分布に変化は見られません。一方、50%硝酸の浸漬においては、光劣化(技術資料No.T2122)、熱劣化(技術資料No.T2302)とは異なる劣化挙動を示すことが判ります。

適用分野
GPC、SEC、高分子、分子量測定、酸劣化
キーワード
芳香族ポリケトン、PEEK、難溶解性、スーパーエンジニアリングプラスチック、エンプラ

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