概要
熱伝導率は、熱膨張率などと並んで重要な熱物性の一つです。例えば、半導体などの電子部品から発生する熱を素早く除熱するためには、高い熱伝導材料が必要とされます。また、省エネルギー分野では、低い熱伝導率(高断熱性)が求められる場合もあります。
熱伝導率を求める方法は、大きく定常法、非定常法の2つに分類されます。レーザーフラッシュ法は非定常法の中の一つです。
本手法は、試料片面をレーザーで瞬間的に加熱し、反対の面の温度上昇を計測して、熱の伝わる拡散速度(熱拡散率)を求めます。熱伝導率は、熱拡散率と比熱、密度の積で表されます(図1)。
レーザーフラッシュ法は、金属やセラミックスなどの分野でよく使われ、主に熱伝導率が高い試料を測定する標準的な測定法となっています。
今回、弊社では、NETZSCH社製 LAF457を導入しました。
本装置は次のような特徴を有します。
- 測定環境が制御可能(室温~1100℃)
- 比較的大きなサンプルも測定できる(照射径で25.4mmφ)ので不均一な試料の評価も可能
- 様々な解析モデルで解析できるため多層体の評価も可能、といった特徴を有します。
更に、今回は溶融セルを導入したため、固体だけでなく、溶融体の評価も可能となっています。
【図1】 レーザーフラッシュ法