概要
核磁気共鳴法(NMR)は、磁場中での原子核の共鳴現象を利用して、原子レベルの化学構造や分子運動性を解析できる手法です。固体NMRは、試料を溶媒に溶かさずに測定するため、固体状態そのままの構造情報を得られます。観測核は1H, 13C, 27Al, 29Si等があり、試料が非晶質でも測定できるため、あらゆる材料への適用が可能です。
主なスペック
測定例
固体NMRは、試料に異方性があるため検出ピークがブロード化しますが、高出力電磁波の照射(プロトンデカップリング)により、高分解能スペクトルが得られます。また、外部磁場に対して一定角を傾けた試料の回転(MAS:マジック角回転)を行うことで、さらに分解能が向上します。【図1】 このようにして得られた ピークの検出位置や形状、面積強度から、試料の構造解析が可能です。
適用分野
ゼオライト等の無機材料、プラスチック・ゴム等の有機材料
キーワード
固体NMR、構造解析