概要
セラミックスは断熱材として使用されています。断熱性の指標となる物性値として熱拡散率があげられます。熱拡散率は温度によって変化するため、使用環境に近い温度条件において測定する必要があります。本技術資料ではセラミックスの熱拡散率を室温から700℃まで評価した事例を報告いたします。
本装置は、試料片面をレーザーで瞬間的に加熱し、反対の面の温度上昇を計測して、熱の伝わる拡散速度(熱拡散率)を求めます。
分析装置・測定条件
熱拡散率測定装置 :LFA457 (NETZSCH社製)
温 度 :室温~700℃
雰 囲 気 :真空
試料
Pyroceram9606 :レーザーフラッシュ法標準物質
Alumina
Graphite
結果
図1にPyroceram9606の熱拡散率の温度依存性および文献値(1)を示します。実験値は±4%以内で文献値と一致していることから、高温での熱拡散率を正しく評価できていることが分かります。
図2に各試料の熱拡散率測定結果を示します。熱拡散率の温度依存性は、試料によって大きく異なることが分かります。
まとめ
本装置は、高温での熱拡散率を精度良く測定可能です。
熱拡散率測定可能範囲 : 室温 ~ 1100℃
参考文献
1) T. Baba et al., 熱物性, 7,251 (1993).
2) 弊社技術レポート No.A1201
適用分野
熱拡散率、熱物性
キーワード
セラミックス、金属、高分子、無機