概要
ウレタン樹脂は、用途や物性に応じた分子設計が可能であり、相分離構造は、物性に影響を与える因子の一つです。弊社が所有するAFM-IRを用いることで、ポリウレタンが持つ相分離構造の組成分布を可視化することが可能です。非相溶の2種類のポリオールを使用したウレタン樹脂にて、それぞれのポリオール成分が、どこに存在するか解析した例をご紹介します。
装置構成
空間分解能10nmでケミカルイメージングが可能な次世代AFM-IRです(装置紹介A2301)。
結果
試料:ウレタン樹脂(エステル系ポリオール、エーテル系ポリオールを使用)
それぞれのポリオールに特徴的な波数にてケミカルイメージングを行ったところ、エステル系ポリオール (C=O;1742cm-1)が島領域、エーテル系ポリオール(C-O-C;1110cm-1)が海領域に存在することが分かりました。また赤枠部分を拡大すると、それぞれの領域には、互いの成分がさらに分散していることが分かりました。

まとめ
AFM-IRを用いて、相分離構造を持つウレタン樹脂の組成分布解析を行い、それぞれのポリオール成分がどこに存在しているかを、明らかにすることができました。
適用分野
プラスチック・ゴム、その他有機製品
キーワード
ウレタン樹脂、エステル系ポリオール、エーテル系ポリオール