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装置紹介
No.A0814 | 2014.04.01 (2023.12.13改訂)

各種GPCと検出器の適用

概要

 ポリマーの分子量分布を測定できるGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー, SEC)法は、測定温度により主に3種類に分類されます。また、検出器にも様々な種類が存在し、得られる情報はそれぞれ異なります。

測定温度による装置分類

 測定温度によるGPC装置の分類を表1に示します。ポリマーが溶解する溶媒種、温度条件に応じて3種類の装置を使い分けています。

【表1】測定温度によるGPCの分類

 

測定温度範囲

主な使用溶媒

主な測定試料

常温GPC

室温~80℃

THF, クロロホルム, 水 DMF, HFIP

PVC,PMMA

高温GPC

室温~180℃ ODCB,TCB PE,PP等ポリオレフィン

超高温GPC

室温~220℃ 1-クロロナフタレン 等 PPS等エンプラ

 

検出器の種類

 GPC測定で用いられる主な検出器と、それぞれの特徴を表2に示します。RIやUV検出器などに代表される、試料の濃度を測定する濃度検出器が一般的ですが、この他にも絶対分子量が得られるLSやMS、官能基情報が得られるFTIRなどをGPC装置に接続してポリマーの特性解析を行う事が可能です。

【表2】GPC測定に用いられる主な検出器

検出器

測定原理

得られる情報

長所と短所

① 示差屈折計 (RI)

溶媒と高分子との屈折率の差

濃度

○最も一般的

×安定性が低い

② 紫外吸収検出器(UV)

高分子の紫外吸収

濃度

○高感度、高安定性

×紫外吸収のない化合物は不可

蒸発型光散乱検出器

  (ELSD)

高分子からの散乱光強度

濃度

○溶媒の種類に影響されない

×低沸点化合物は検出困難

×応答が濃度に比例しない

④ 赤外分光光度計(FTIR)

高分子の赤外吸収

濃度

分子構造情報

○官能基の定量が可能

×溶媒による吸収のため

 測定波数が限られる

蒸発型赤外分光光度計

  (FTIR)

高分子の赤外吸収

分子構造情報

○溶媒の吸収に影響されない

×測定ノウハウが必要

⑥ 光散乱検出器 (LS)

高分子からの散乱光強度

絶対分子量

回転半径

○絶対分子量が得られる

×低分子量は検出困難

⑦ 粘度検出器(VISCO)

溶媒と高分子溶液の圧力差

固有粘度

長鎖分岐度

○長鎖分岐度が得られる

×別に濃度検出器が必要

⑧ 質量分析装置 (MS)

高分子の質量数の差

絶対分子量

○絶対分子量が得られる

×装置が高価

×高分子の種類、分子量範囲に制限

⑨ 核磁気共鳴装置 (NMR)

原子核の磁気的性質

分子構造情報

○官能基別の情報が得られる

×装置、溶媒が高価

×専用プローブが必要

 

適用分野
高分子材料、ゴム、その他汎用樹脂
キーワード
高温GPC、超高温GPC、絶対分子量、長鎖分岐度、検出器

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