当社のSEM及びTEMで得られた画像例を以下にご紹介します。
FE-SEMによる加熱時のその場観察(in-situ)
アルミニウムとポリエチレンの加熱に伴う形態変化
多層膜フィルムの加熱に伴う形態変化 (動画有)
赤さび(FeOOH)の加熱による形態変化 (動画有)
バイオミネラルの加熱による形態変化 (動画有)
はんだ(共晶組織)の加熱による相変化 (動画有)
Ag系鉛フリーはんだの加熱によるAg凝集挙動 (動画有)
Sn-Bi系はんだの金属組織の冷却速度依存性の観察 (動画有)
TEM解析技術
概要
透過電子顕微鏡(TEM)は、高電圧(200kV)で加速した電子線を超薄片化(厚さ100nm程度)した試料に透過させることによって、試料の内部組織や結晶構造をナノメートルオーダーで観察可能な装置です。
試料に広く平行なビームを照射するTEM法、細く絞った電子線を走査して照射する走査透過電子顕微鏡(STEM)法、および、付加機能による各種解析法が可能です。表1に各種解析法の概要をまとめました。
装置概要
日本電子(JEOL) JEM-F200
TEM本体
・電子銃 :Cold-FE電子銃
・TEM分解能 :0.23nm/200kV
・STEM分解能 :0.16nm/200 kV
・加速電圧 :80kV、200kV
各種機能
・EDS :日本電子JED-2300 SDD
検出器面積:100 mm2 ×2基
・CMOS :Gatan OneViewIS
・STEM 明視野/暗視野
・大気非暴露観察
・In-situ加熱TEM観察
・ナノビーム電子回折
(ナノビームディフラクション:NBD)マップ
分析事例
窒化ガリウム(GaN)はパワーデバイスなどに応用されている重要な化合物半導体材料であり、GaN薄膜を形成した際の結晶性がデバイス性能に大きく影響することが知られています。
今回、透過電子顕微鏡(TEM)を用いて高分解能像(格子像)および制限視野電子回折図形により、GaN薄膜の結晶性を解析しました。
GaN膜の高分解能像(格子像)および制限視野電子回折図形を図2 、図3に示します。
高分解能像(格子像)より結晶の周期性が確認されました。また、電子回折図形を測定したところ、図2に示すGaN[100]の電子回折図形が得られました。上記結果より、GaN膜中の結晶構造は、周期性があり結晶構造の乱れがない構造であることが確認されました。
測定項目 | 解析内容 | 適用材料 | |
---|---|---|---|
TEM | 明視野、暗視野像 |
形態観察、欠陥解析、結晶方位解析 |
無機材料、電子材料、 電池材料、金属、 セラミックス、微粒子、 触媒、 (フィルム、ゴム) |
高分解能像、格子像 |
ナノメートル領域の膜厚観察、 |
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制限視野電子線回折 |
結晶構造解析(結晶の同定、方位の決定) 測定エリア:数十nm~数百nm |
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STEM |
STEM-明視野像 STEM-暗視野像 |
形態観察、組成像観察(組成差を像として取得) 倍率:数万倍~数千万倍 |
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元素分析(EDS) |
ナノメートル領域の定性分析、半定量分析、 元素マッピング |
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ナノビーム電子回折 (ナノビームディフラクション:NBD) マップ |
結晶性、結晶方位、積層欠陥や双晶の形成など結晶に関する情報の二次元分布の評価 (空間分解能:ナノメートルオーダー) |
結晶性材料 (金属、ジルコニア、 |
表2に付加機能による解析法の概要をまとめました。
測定項目 | 解析内容 | 材料 | |
---|---|---|---|
付加機能 | 大気非暴露観察 | 大気非暴露環境下でのTEM,STEMによる各種解析 |
電池材料、触媒など大気により 変質する材料 |
【T2311】大気非暴露 FIB-TEM による易酸化材料の構造解析 | |||
In-situ 加熱TEM観察 |
室温~1300℃まで加熱を行いながら、変形挙動、 劣化挙動、焼結機構をリアルタイムに観察 |
セラミックス、ポリマー、 合金など(加熱により構造が変化する材料) |
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【T2309】In-situ 加熱 TEM による金属コロイドの形状変化解析 | |||
【研究報告】東ソー研究・技術報告、65、59(2021)(PDF) |