【概要】
セルロースナノファイバー(以降、CNF)を複合化したポリマー材料は、ポリマー単体に比べ機械強度が大幅に向上することから、近年、実用化へ向けた開発検討が広く行われています。
機械強度の向上効果は、CNF添加量の他に、CNFの分散状態によっても強く影響されることが知られており、各種顕微鏡を用いたCNFの分散状態観察は、材料開発における重要な評価技術となっています。
弊社では以下に示す3つの要素技術を組み合わせることにより、粗大なCNF凝集物(数十μmオーダー)から、CNF単繊維(数十nmオーダー)まで、様々な形態を取り得るCNF複合化材料の観察が可能です。
【試料】
機械開繊によりナノ化したCNFを混合したエラストマー材料
【観察手法および取得情報】
【観察スキーム】
【AFM観察(CNF分散性評価)】
AFMを用いた観察(数千倍~50,000倍)により、CNF凝集物の発生状況を可視化でき、CNF繊維配向の分散性評価が可能です。
【TEM観察(CNF形態観察)】
TEMでは、超薄切片に電子線染色を施すことではじめて、CNFが可視化されます。
当社では、基材(ポリマーやエラストマー)との組み合わせに即した染色条件を選択することで、様々なCNF複合化材料の観察に対応可能です。これにより、CNF繊維サイズ(幅,深さ)や、繊維の枝分かれ等の詳細な構造評価が行えます(倍率:数万~十数万倍)。
適用分野
自動車材料、高分子材料、家電製品、包装材料、建材
キーワード
セルロースナノファイバー、CNF、TEM、AFM、SPM、CNF複合化材料、分散構造、モルフォロジー