概要
昨今、品質の低下が信頼性を大きく揺るがす事も多く、製品検査は企業活動を維持するうえで欠かせない業務になっています。検査の結果、製品中に異物が発見された場合、異物を取り除くことはもちろん、異物発生原因を突き止めることが、安定生産には大事です。
本技術紹介では、一般的な異物分析フローについて紹介します。異物分析は、ケース毎に異なり、必ずしも紹介する方法が全てではありません。ここでは、基本的な考え方について紹介します。
異物分析のフロー
異物分析では、1.観察、2サンプリング、3.分析、4.解析の流れで分析を進めます。
1.観察
異物が製品のどこに存在しているのか、観察から把握します。観察は、外観だけでなく、必要に応じて断面からの観察も行います。例えば、多層フィルムの異物を断面から観察する事で、どの工程で異物が混入したのかを推定する手がかりになります。
2.サンプリング
異物を製品から取出し、分析に供せるようにします。サンプリングの方法は、千差万別で、転写法や切削、溶解法など様々な手法を駆使して、異物のみを取り出せるように試みます。この段階で、異物のみを取り出せると、以後の分析結果を解釈する際に、煩わしさがなくなります。
3.分析
異物の性状に応じて分析します。有機物の場合はFTIRが用いられます。無機物の場合はXRFやEDS等で原子組成を、XRDにより結晶構造を同定します。
4.解析
分析結果をもとに、異物を特定します。
適用分野
フィルム、基板、電子材料など
キーワード
高分子、添加剤など