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技術資料
No.T2110 | 2021.08.24

4結合以上離れたH-C結合相関による有機化合物の構造解析

~ 2次元NMR 1H-13C Long range-HSQMBC測定 ~

概要

2次元NMR測定手法の1つである1H-13C LR-HSQMBC測定では、4~5結合離れた1H-13C間の相関を解析可能です。2次元1H-13C HMBC測定を補完し、より確度の高い分子構造解析結果をご提供可能です。天然物を含む有機化合物全般の分子構造解析に威力を発揮します。

分析方法・分析装置

  • 分析方法:2次元 1H-13C LR-HSQMBC1)
  • 分析装置:700MHz NMR、500MHz NMR

 

以下にパルスシーケンスダイアグラムを示します。

試料

ストリキニーネ

結果

ストリキニーネの2次元1H-13C HSQMBC測定結果(図2左)と2次元1H –13C HMBC測定結果(図2右)を示します。HSQMBCスペクトルでは同一条件で測定したHMBCスペクトルに対し、4~5結合(4J5J) 離れた1H-13C間の情報を観測でき、分子構造解析に有用な情報を得ることができました。

【図2】 ストリキニーネの2次元1H-13C LR-HSQMBCスペクトルと1H-13C HMBCスペクトルの比較
(左:1H-13C HSQMBC、右:1H-13C HMBC、構造と帰属を右上に表示)

まとめ

2次元1H-13C HSQMBC測定では、4~5結合離れた長距離の1H-13C結合状態を知ることができ、確度の高い分子構造解析結果をご提供可能です。4級炭素の多い天然物等や有機EL材料等、有機化合物全般の分子構造解析に有用です。

引用文献

1)Williamson, R.T. et al J. Org. Chem. 79, 3887-3894 (2014).

適用分野
NMR、分子構造解析
キーワード
糖鎖、天然物、構造異性体、分子構造解析、医薬品、化粧品、農薬

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