概要
2次元NMR測定手法の1つである1H-13C LR-HSQMBC測定では、4~5結合離れた1H-13C間の相関を解析可能です。2次元1H-13C HMBC測定を補完し、より確度の高い分子構造解析結果をご提供可能です。天然物を含む有機化合物全般の分子構造解析に威力を発揮します。
分析方法・分析装置
- 分析方法:2次元 1H-13C LR-HSQMBC1)
- 分析装置:700MHz NMR、500MHz NMR
以下にパルスシーケンスダイアグラムを示します。
【図1】 2次元1H-13C LR-HSQMBCのパルスシーケンス
*1 13C核の展開時間
*2 13C核のデカップリングシーケンス
*1 13C核の展開時間
*2 13C核のデカップリングシーケンス
試料
ストリキニーネ
結果
ストリキニーネの2次元1H-13C HSQMBC測定結果(図2左)と2次元1H –13C HMBC測定結果(図2右)を示します。HSQMBCスペクトルでは同一条件で測定したHMBCスペクトルに対し、4~5結合(4J、5J) 離れた1H-13C間の情報を観測でき、分子構造解析に有用な情報を得ることができました。
まとめ
2次元1H-13C HSQMBC測定では、4~5結合離れた長距離の1H-13C結合状態を知ることができ、確度の高い分子構造解析結果をご提供可能です。4級炭素の多い天然物等や有機EL材料等、有機化合物全般の分子構造解析に有用です。
引用文献
1)Williamson, R.T. et al J. Org. Chem. 79, 3887-3894 (2014).
適用分野
NMR、分子構造解析
キーワード
糖鎖、天然物、構造異性体、分子構造解析、医薬品、化粧品、農薬