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技術資料
No.T2214 | 2022.11.01

FE-EPMAによる金属接合面の分析

概要

 界面は異なる二つの相が接して生じる面で、接着性や機械強度などの材料性能に影響を及ぼします。そのため、界面の形態や組成の把握は、性能評価において重要になります。電界放出型電子プローブマイクロアナライザ(FE-EPMA)を用いて、金属接合面の元素分布を解析した事例を紹介します。

分析方法・分析装置

前処理 :イオンミリング
装 置 :FE-EPMA(日本電子製JXA-iHP200F)

試料

はんだ付けした銅基材

結果及び考察

 当社の断面作製技術と組み合わせて、試料内部の元素分布解析が可能です。
 試料をArイオンミリングで断面作製し、FE-EPMAによるSEM観察を行った結果、はんだと銅基材の界面に厚み約200nmの平らな層(接合面①)と厚み約1~2µmの凸凹が大きい層(接合面②)の存在が判明しました【図1】。図2の元素マッピングより、これらの層はSn(はんだ由来)とCuの合金で、半定量解析によって接合面①はCu3Sn、接合面②はCu6Sn5と推定できました。
 はんだ接合は溶接や接着剤による接合と異なり、反応拡散現象に起因した金属間化合物の生成が知られています。FE-EPMAにより、形態や組成が異なる二種類のSn-Cu合金が金属間化合物として生成する様子を可視化できました。

適用分野
電池・半導体材料、フラットパネルディスプレイ、その他無機製品
キーワード
界面、接合面、はんだ、合金、FE-EPMA、イオンミリング、断面加工

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