概要
セルロースの分子量測定法として、粘度法が一般的に用いられています。粘度法からは平均分子量が得られますが、分子量分布は得られません。
これに対して、GPC法では平均分子量と分子量分布の両方を得ることが可能です。GPC法から得られる分子量分布曲線は、分子量に関する視覚的、直感的な情報を得ることができます。
セルロースは難溶解性材料であるため、GPC分析が難しい材料ですが、前処理や溶解条件を工夫することで、GPC分析が可能になります。
分析事例
パルプについてGPC測定を行った結果を図1に示します。
セルロースやセルロース誘導体は、紙製品、食料、医薬品、化粧品添加剤などに広く用いられており、その原料セルロースとして、主にパルプが使用されています。
パルプとは木材等を、機械処理や化学処理することで抽出した植物繊維のことであり、その主成分はセルロースです。パルプは多種多様であり、元となる木材の種類や、製造法によって、分子量や分子量分布は異なります。
セルロース製品の分子量、分子量分布は、原料であるパルプの分子量、分子量分布と関係しています。従って、セルロース製品だけではなく、パルプの分子量、分子量分布を調べることが重要となります。
適用分野
GPC、SEC
キーワード
セルロース、パルプ