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技術資料
No.T1816 | 2018.06.11

赤さびの加熱による構造変化(in-situ 加熱FE-SEM)

概要

 赤さびが発生した鋼材を高温環境下で使用すると、脱水が生じてオキシ水酸化鉄(FeOOH)から酸化鉄(Ⅲ)(Fe2O3)へと変化します。Fe2O3はもろく崩れやすいため、鋼材から剥がれ落ち、製品に影響を及ぼすことがあります。一方で、Fe2O3はその鮮やかな赤色から顔料(ベンガラ)として親しまれています【図1】。
 本技術資料では、FeOOH がFe2O3へと構造変化する様子を、試料室内に加熱システムを搭載したFE-SEMを使用して、in-situで観察しました。

【図1】光学写真(左;FeOOH、右;Fe2O3)

【図1】光学写真(左;FeOOH、右;Fe2O3)

分析事例の紹介

<FeOOHのin-situ加熱FE-SEM観察>

FeOOHの加熱試験を行った結果、脱水に伴う体積の減少が300℃付近で観察されました。更に過熱すると試料全体が収縮を初め、800℃でおおよそ5%体積が減少しました【図2】。
このようにin-situ加熱FE-SEM観察を用いることで、金属・セラミックス材料を加熱した際の構造変化を視覚的にとらえることが出来ます。

【図2】FeOOH のin-situ加熱FE-SEM観察結果(左:加熱前、右:800℃加熱後)

【図2】FeOOH のin-situ加熱FE-SEM観察結果(左:加熱前、右:800℃加熱後)

【図3】FeOOH のin-situ加熱FE-SEM観察結果(動画)

【図3】FeOOH のin-situ加熱FE-SEM観察結果(動画)

適用分野
セラミックス、ゼオライト、その他無機製品
キーワード
さび、in-situ、SEM、加熱、金属、セラミックス

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