概要
ポリウレタンは様々な用途に使用される合成樹脂です。ポリウレタンをアルカリ加水分解して得られた加水分解液を直接MALDI-TOF/MS分析することで、ポリウレタンに使用されたポリオールやイソシアネート等をスクリーニング解析することができます。
分析方法
ポリウレタンをアルカリ加水分解後、有機溶媒に置換し、MALDI-TOF/MS分析を行いました。加水分解により、イソシアネートはアミンとなって分解液中に存在します。
結果
幅広い質量範囲を分割してMALDI-TOF/MS分析することで、低分子領域からはアミン(イソシアネート)とポリオール、高分子領域からはポリオールが検出されました(図2~図4)。分析に用いた試料は軟質ウレタンフォームであり、分子量数千の軟質用ポリオールが使用されていたことが分かります。
得られた質量から解析しますと、表1の結果が得られました。
【表1】MALDI-TOF/MS解析結果
まとめ
ポリウレタン分解液の直接MALDI-TOF/MS分析により、ポリウレタンに使用されていたイソシアネート種やポリオール種のスクリーニング解析が可能です。
また、抽出等により成分毎に分離し各種分析を行うことで、各成分の詳細分析も可能です。
適用分野
プラスチック・ゴム、その他有機材料
キーワード
ポリウレタン、ウレタンフォーム、イソシアネート、ポリオール