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技術資料
No.T2114 | 2021.09.01

NMRによるエンジニアリングプラスチックの構造解析(アラミド)

概要

エンジニアリングプラスチックの中でも全芳香族ポリアミド系樹脂(アラミド樹脂)は、一般的な有機溶剤には不溶です。本技術資料では、当社独自の条件にてアラミド樹脂を溶解し、溶液NMRにより分子構造を解析した事例を紹介します。

分析方法・分析装置

  • 分析方法:1H-NMR
  • 分析装置:700MHz NMR、500MHz NMR

試料

パラ系アラミド樹脂/特殊溶媒溶液(0.1wt%)

結果

独自に調製した特殊溶媒を用いることでパラ系アラミド樹脂を溶解し、溶液NMRを用いて1H-NMR測定を実施しました(図1)。1H-NMRは高感度な測定法であることから、1mg程度の少量の試料でも解析ができ、分子構造を同定することが可能となりました。

【図1】 パラ系アラミド樹脂の分子構造

【図2】 パラ系アラミド樹脂の1H-NMRスペクトル(赤字は帰属)

まとめ

今回用いた特殊溶媒はアラミド分子間の水素結合のみを切断し溶解させるため、ポリマーを分解、劣化させることなく構造を解析できます。併せてメタ系、共重合系アラミドの測定、解析も可能です。

適用分野
NMR、高分子、構造解析
キーワード
アラミド樹脂、アラミド線維、全芳香族ポリアミド系樹脂、難溶解性、結晶性ポリマー、スーパーエンジニアリングプラスチック、エンプラ

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