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技術資料
No.T1831 | 2018.11.10

アルカリ加水分解によるポリアミドの構造解析

概要

ポリアミド樹脂はアミド結合を繰り返し単位として有する高分子です。繊維、フィルム、自動車部品、電子部品など広く使用されているプラスチック素材であり、構成するモノマーにより様々な種類が存在します。
本資料ではポリアミド樹脂をアルカリ加水分解により原料まで分解し、構造解析した事例をご紹介します。

分析内容

2種のポリアミド樹脂(試料①、②)を加水分解し、分離した成分について13C-NMR分析を行いました。ポリアミドの加水分解反応は図1に示した(1)(2)の両者が考えられます。

【図1】 ポリアミド樹脂の加水分解反応式

試料①のアルカリ加水分解では単一成分が得られ、13C-NMR分析によりε-アミノカプロン酸(図2) と同定できました。

【図2】 アミノカルボン酸の13C-NMRスペクトル

また、試料②のアルカリ加水分解では2成分が得られました。13C-NMR分析により、アジピン酸(図3)及びヘキサメチレンジアミン(図4)と同定できました。

まとめ

アルカリ加水分解を用いた構造解析により、ポリアミド樹脂を構成する各成分の同定が可能です。今回、試料①はナイロン-6、試料②はナイロン-66であることがわかりました。
●1,4-ブタンジオール
●エチレングリコール

適用分野
プラスティック・ゴム、その他有機材料
キーワード
ポリアミド、ナイロン

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